ハンター試験

概要

主催：ハンター協会
実施頻度：年1回（応募締切は毎年12月31日）
目的：ハンターライセンスの授与（プロハンター認定）
形式：年ごとに異なる多段階式試験（内容非公開）

この試験は国家資格ではなく、民間団体であるハンター協会が独自に発行する認定試験。 しかし、その社会的信用と権威は国家資格を凌駕し、世界中から数百万人の志願者が殺到する。 試験会場にたどり着くだけでも至難の業であり、受験申込者のうち実際に会場へ到達できるのはおよそ1万人に1人とされる。

合格率は極めて低く、年によっては合格者“0人”の年もある。 そのため、受験生たちは命を懸けて挑戦し、毎年多くの死亡者・負傷者が出る危険な試験として知られている。

試験構造と特徴

・内容は毎年異なり、事前に一切公開されない。
・試験会場に到達するまでの過程そのものが「一次試験」と見なされている。
・試験官以外にも、受験者を導く「案内人（ナビゲーター）」や「協力者（村・船長など）」が存在し、 　彼らが下した失格判定は絶対であり、別経路から会場入りしても無効となる。
・受験生の呼称は、初挑戦者が“ルーキー（新人）”、複数回経験者が“ベテラン”。

試験の内容は体力・精神・知識・判断力など多方面にわたる。 中には“殺し合い”を暗黙に認めるものまであり、倫理よりも「生存能力」を重視する設計となっている。

危険性と無法性

試験中は原則として協会の監督があるものの、 「それくらいの危機は切り抜けてこそ」とされるため、基本的には自己責任の無法地帯。 そのため、殺人や妨害行為も黙認されるケースが多い。

実際に、受験者ヒソカ＝モロウが他の受験生を殺害したり、 キルア＝ゾルディックが暗殺行為を行ったりしても、協会は不問としている。 ただし、試験官への攻撃は明確な失格対象であり、 サトツに対するヒソカの攻撃未遂の際には「警告」で済んだが、協会判断次第では即失格となる。

試験官と会場構造

試験官はハンター協会が任命した現役ハンターで、 各試験段階ごとに異なる分野の専門家が担当する。 例として、第287期試験では以下の人物が登場：

・一次試験官：サトツ（遺跡ハンター）
・二次試験官：メンチ＆ブハラ（美食ハンター）
・三次試験官：リップ・ベンドット（刑務所試験官）
・最終試験：ネテロ会長による1対1勝負形式

試験会場は年ごとに変化し、ジャングル、塔、孤島など多様な環境が用いられる。 また、移動や過程の一部に“心理戦・知恵試し”要素が含まれることも多い。

ライセンスと特典

合格者には「ハンターライセンス」が授与される。 このライセンスは莫大な特権を持ち、所有者には以下のような恩恵が与えられる。

・世界各国の公共交通機関、施設の無料利用
・ほぼ全ての国の治外法権的行動権限
・希少な遺跡、禁制区域などへの無制限アクセス
・一般的な国家資格や学歴を凌駕する信用
・所持者の破産や犯罪でも没収されない（紛失時も再発行）

このため、ライセンス保有者は世界人口のごく一部であり、 彼らは“選ばれた者”として尊敬と畏怖の対象になっている。

裏ハンター試験（念能力習得）

ハンター試験合格後、正式なプロハンターとなるには“念能力”の習得が必須。 このため、協会内部では非公開の「裏ハンター試験」が存在する。

この試験では、既に念を扱えるプロハンターが合格者に接触し、 念能力の修行を課す。既に念を使える者は免除される。 これは表の試験以上に厳しく、命を落とす者も少なくない。

備考・関連エピソード

・第287期試験が物語上の中心として描かれ、主人公ゴン＝フリークスやキルア、クラピカ、レオリオ、ヒソカらが登場。
・試験編は物語全体の導入でありながら、キャラクターの信念や人間性を鮮やかに描き出す名編として評価が高い。
・受験番号の設定や脱落の過程など、詳細な心理描写を通して群像劇的な魅力を生み出している。

総評

ハンター試験は『HUNTER×HUNTER』の根幹をなす「選別」の象徴であり、 “人の限界と可能性”を描く装置として機能している。 試験そのものが物語の縮図であり、ハンターという存在の理念── 「知恵・技・生存力・倫理観」のすべてを試す舞台である。

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