ヨークシン編 [ハンターハンター]

舞台・概要

舞台となるヨークシンシティは、毎年9月に世界最大級のオークションが開催される経済都市。
開催期間は約10日間で、珍品・美術品・念能力関連品などが取引される。
表向きの公式オークションに加え、裏社会による“闇の競売”も多数行われ、犯罪組織やマフィア、ハンターたちが入り乱れる。
都市のモデルは主にニューヨーク市とされ、近代的な街並みや経済構造が作中で描かれる。
サブタイトルは「9月1日Ⅰ」「9月2日Ⅱ」といった日付形式で、1日単位の緊張感ある構成となっている。

ストーリー構成と特徴

本編では、クラピカがクルタ族虐殺の仇である幻影旅団と対峙する「復讐劇」を軸に、
ゴンとキルアによるオークション資金集め・GI（グリードアイランド）探索、マフィア勢力の抗争など、複数の視点が並行して進行する。
従来のファンタジー色が薄まり、オークションやマフィアなど現実社会を模した要素が強調され、シリーズの世界観転換点とされる。
特に幻影旅団の初登場により、“念能力を使った本格的な殺し合い”の描写が始まり、以降のH×H全体の戦闘構造を形作る礎となった。
旧アニメ版ではゴンの登場時間が極端に短く、クラピカ主軸の群像劇としての印象が強い。

主要登場組織・キャラクター

◆**幻影旅団**
全13人で構成される盗賊団。ヨークシンオークションの全品強奪を狙い、マフィア勢力を次々に壊滅させる。
団長クロロ＝ルシルフルのもと、メンバーは念能力を駆使して圧倒的戦闘力を見せる。

◆**マフィアンコミュニティー**
裏社会最大の組織連合。六大陸10地区に勢力を持ち、各組織の首領10人によって構成される。
ネオン＝ノストラードの予言能力を頼りに防衛を試みたが、幻影旅団の襲撃により甚大な被害を受ける。

◆**十老頭（じゅうろうとう）**
マフィアンコミュニティーの最高幹部10名。世界中のマフィアを束ねる影の支配者。
幻影旅団との抗争で全滅したとされる。

◆**陰獣**
十老頭直属の精鋭部隊。動物名をコードネームとする10名で構成。
具現化系の梟（ファンファンクロス）を筆頭に、病犬・蛭・蚯蚓・豪猪などが登場。
ウボォーギンとの戦闘で全滅したが、後年の作中設定から再評価され、実力者揃いであったことが判明している。

作風と評価（＋読者の声）

ヨークシン編は、シリーズ初の都市型・現代犯罪劇として高く評価されている。
SNS上では「クラピカ編」「H×Hの中で最も完成された群像劇」「心理戦と緊張感の極致」といった声が多い。
また、「ファンタジーから社会派サスペンスへと進化した象徴的な章」「旅団の初登場で念バトルの完成形が見えた」とも評される。
日付形式のタイトル構成やリアルな都市描写は、冨樫義博の作風転換期を示す代表例とされている。

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