ネオ [トリコ]

①所属・基礎データ
ネオはブルーニトロにより生み出された益獣の一体として誕生した。
星の熟成工程でストレスを与える役割を担っていたが、回収時に姿を消し「そのうち星の獣に食われるだろう」と放置された。
ブルーニトロの一体が「あんな奴元々いたっけ？」と発言しており、その存在自体が異質であることが示唆されている。
やがて監視を逃れたネオは自我と食欲を完全に解放し、益獣から宇宙規模の捕食者へと変貌した。
アカシアの体内に宿る後は彼のグルメ細胞を支配し、未知の食材を求めさせる囁きを続けた。

②主要エピソード
ネオは「死の瞬間に生じる旨味」を最上の味と認識し、獲物に恐怖と絶望を与えてから食らう捕食様式をとる。
木星級の星をわずか一ヶ月で食い尽くし、生命ある星々を次々と滅ぼしていった。
一度は強敵や超新星爆発により死亡することもあったが、死のたびに復活し続ける異常な再生能力を持つ。
彼に食われたグルメ細胞は質量保存を無視して消滅し、通常の悪魔であっても復活不能となる。
アカシアと融合後は、美食の探求を超えた“破壊的食欲”として物語の終盤を象徴する存在となる。

③能力・役割
ネオの本質は「究極の食欲」であり、死と絶望の味を糧とする。
捕食対象を極限まで恐怖させることで旨味を高める行為は、料理そのものとして描かれている。
この嗜好は人間社会の家畜肥育やグルメ世界の調理法にも通じており、作品内では“悪”として単純に断じられていない。
ジジによる説明の際、四天王と小松らはそれぞれの立場で冷静に受け止め、サニーは嫌悪し、ココは理屈に驚き、ゼブラは「生物として真っ当」と言い、愛丸は「ただの腹ペコ」と評した。
小松のみが「ネオは本当に満足できる料理を食べたことがないのかもしれない」と推測し、彼の存在を“飢えの象徴”として理解しようとした。

総評
ネオは『トリコ』世界における「食の根源的狂気」を体現する存在である。
その行為は破壊的でありながらも、根底には純粋な食欲という生物的本能しかなく、善悪を超えた概念として描かれている。
アカシアとの共生・暴走を通じ、食の本質と倫理を問う構造の中核を担う悪魔的存在である。