ナニカ [ハンターハンター]

所属・基礎データ

ゾルディック家・三男アルカの内に存在する謎の存在。
顔が白くなり、目と口が黒く塗りつぶされた状態のアルカとして現れる時、キルアはこの人格を「ナニカ」と呼ぶ。
ゾルディック家では「人ではない」「あれは別のどこかから来た闇」と恐れられ、家族扱いされず地下に幽閉されていた。
しかし、キルアだけはナニカを“妹”として受け入れ、対等に接している。

特徴・性質

ナニカはアルカが「お願い」をされた時に現れ、どんな願いでも叶える力を持つ。
そのかわりに、叶える前には必ず「おねだり」を3つ出題し、これに応じない者や失敗した者は、 その願いの規模に応じた人数が命を奪われるという凶悪な代償が発生する。

返事は「あい」と片言で答えるのが特徴で、感情がないように見えて実際は感情を持ち、 キルアに褒められると嬉しそうにするなど、幼い子供のような愛情表現を見せる。
キルア曰く、「“キルア”と呼ぶのがナニカ、“お兄ちゃん”と呼ぶのがアルカ」。 人格は二重構造であり、アルカが「おねだり」をしている間も実際にはナニカの人格が表に出ている。

能力とルール

ナニカは「お願い」を叶えるために、前段階で「おねだり」を行う。 この2つの行為には複雑なルールが存在し、発動の順序や規模によって犠牲者数が変動する。
ただし、キルアに対してだけは例外的に“命令”という形式で無制限に願いを叶えることが可能。
これは「お願い」とは別の力であり、ナニカはキルアの命令だけには絶対服従する。

そのため、キルアはナニカを他人に利用されないよう「俺以外のお願いは聞くな」と命じ、 以後ナニカの力を完全に封じている。

感情・関係性

ナニカはキルアを深く慕っており、「いいコいいコしてもらう」ことを何より喜ぶ。
一方で、他の家族からは恐怖の対象として扱われ、シルバやイルミからも「家族ではない」と断言されている。
アルカ本人とは意識を共有しており、互いを感じ取ることができる関係。
アルカはナニカを守ろうとし、「ナニカをいじめるお兄ちゃんは大嫌い」と怒る場面もある。
この描写から、アルカとナニカの関係は寄生ではなく共生に近いと考えられている。

正体と起源

単行本の補足により、ナニカは暗黒大陸の「欲望の共依存」と呼ばれるガス生命体“アイ（Ai）”であることが判明。
ゾルディック家の祖先が暗黒大陸探検の際に持ち帰り、アルカに寄生したと推測されている。
その名残として、ナニカの返事「あい（アイ）」はガス生命体アイの名と共通している。

読者の声・評価

登場当初は「H×H史上もっとも恐ろしい存在」として語られたが、 キルアとの関係が描かれるにつれ「純粋で無垢な子供」「愛情を求めるだけの存在」としての見方が強まった。
SNS上でも「ナニカは悪ではなく、孤独」「キルアとナニカの関係が一番尊い」といった感想が多く、 シリーズ屈指の“悲しくも美しいキャラクター”として支持されている。

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