鬼龍 [タフ]

人物概要

宮沢熹一（キー坊）の叔父であり、静虎の双子の兄。
IQ200を誇る天才頭脳と、“龍腿（ドラゴン・フット）”と呼ばれる異常発達した大腿筋を併せ持つ最強の格闘家。
その脚は「岩を砕き、柳のようにしなやか」と形容されるほどの破壊力と柔軟性を持つ。

武の達人でありながら、社会のルールや倫理を嘲笑い、暴力を自己表現とする“悪の哲学者”。
だがその裏には、芸術や美への憧れを抱く一面もあり、
美術館で出会った少年に「美を生み出す力は人間の最高の才能」と語るなど、
どこか品格と知性を感じさせる二面性を持つ。

性格と思想

傲慢・冷酷・自己中心的。しかし、同時に理知的で人間的な感情も垣間見える。
善悪を超越した「自由の極致」に立つ存在として、暴力も思想も“生き様”として貫く。
悪に徹しながらも、どこか人間臭く、時折見せるコミカルな動揺（絵を描いて赤面する場面など）が人気の要因でもある。

その一方で、息子・長岡龍星をして「病的に自己中心的で、関わる者すべてを不幸にするクズ」と評されるなど、
家族関係は崩壊状態。天才であるがゆえに孤独な破滅者として描かれている。

作中での立ち位置

『高校鉄拳伝タフ』ではラスボス的存在として登場。
初登場時の台詞「カモがネギしょってやってきたぜぇ、グヘヘヘヘ…」は伝説的迷言として知られる。
IQ200の天才とは思えぬ“庶民的クズ感”と、“絶対的強者”の両面を持ち合わせるのが鬼龍の魅力。

『TOUGH』では静虎・熹一との因縁を深めながらも、悪になりきれぬ偽悪者としての側面が描かれ、
『龍を継ぐ男』ではさらに狂気が増幅。非道な行動が多く、敵味方を自在に翻弄する裏ボス的存在となる。

容姿と象徴

・オールバックの髪型に、鼻の上を横切る一本の傷跡。
・黒いTシャツとパンツ、ロングコートというシンプルな服装。
・冷酷な表情と無言の威圧感。
・静虎とは瓜二つだが、鬼龍の顔には「人を殺めてきた者の影」が刻まれている。

能力と異名

・特殊脚筋 “龍腿（ドラゴン・フット）”による瞬殺の蹴撃。
・知力と戦略眼を兼ね備えた万能の格闘家。
・IQ200の頭脳で組織・政治・裏社会を自在に操る。
・異名：「怪物を超えた怪物」「神をも殺す悪魔」。

人間関係

・宮沢静虎：双子の弟。正反対の存在であり、互いを認めながらも相容れない宿命の関係。
・宮沢熹一：甥。自らの血を受け継ぐ者として、時に試練を与え、時に救う矛盾した存在。
・長岡龍星：息子。彼の心に深い憎悪を刻んだ“災厄の父”。

総評

宮沢鬼龍は“強さ”と“狂気”の化身。
暴力・知性・芸術・破滅、すべてを抱え込みながらもなお立ち続ける“終わらない男”。
その存在は『タフ』という作品そのもののカオスと魅力を象徴している。

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