龍星 [タフ]

人物概要

父・宮沢鬼龍、叔父・宮沢静虎という相反する二人の武人を師とし、
その血を受け継ぐ存在として描かれるシリーズ第3部の実質的主人公。
幼少期は長岡家の養子として過ごすも、義父・義兄から虐げられる不遇の少年期を送る。

東大理Ⅲに主席で合格するほどの天才頭脳と、鬼龍譲りの格闘センスを併せ持つが、
同時に「バースト・ハート」と呼ばれる遺伝性の心臓病を抱えており、
常に死と隣り合わせの人生を歩む。

容姿の変遷

初登場時は端正なストレートヘアの美青年だったが、
鬼塚姫次との死闘を前に頭を剃り、以後は坊主頭に。
さらに戦闘による負傷で顔に深い傷を負い、左目を失明。
のちに右目へガルシア28号の眼を移植し、外見は初期から大きく変化した。

傷と眼帯が象徴する“闘いの代償”こそ、龍星というキャラの宿命を物語っている。

性格と思想

礼儀正しく、常に敬語を使う温厚な青年。
事故の被害者を救うなど正義感も強い。
しかし心の奥底では父の暴力的な血が脈打ち、
強さへの渇望と破壊衝動の間で揺れ続ける二面性を持つ。

静虎の「理」と鬼龍の「闇」の双方に学んだことで精神は常に不安定。
闇堕ちと更生を何度も繰り返す“善悪の狭間に立つ男”として描かれる。

主要エピソード

・幼少期：長岡家で虐げられ、自分の存在意義を見失う。
・青年期：東大理Ⅲ首席合格→入学辞退。義兄を倒し家出。
・鬼龍の誘拐事件で静虎に救われ、灘神影流を学ぶ。
・宮沢熹一と邂逅し敗北、彼を越えることを目標にする。
・血の謝肉祭で左目を失い、のちにガルシア28号と激突。
・心臓破裂→ガルシアの心臓を移植され蘇生。
・超人的な力を得るも、心の闇と向き合い「灘の人間になる」と誓う。

人間関係

・宮沢鬼龍（父）：尊敬と嫌悪が入り混じる複雑な関係。
　「病的に自己中心的で、周囲に災厄をもたらす最低のクズ」と評するが、
　同時に“絶対に屈しない姿勢”はどこかで認めている。

・宮沢静虎（叔父／師匠）：人格的にも技術的にも深く敬愛。
　闇堕ち期に一度静虎を重傷に追いやり、後に深く後悔する。

・宮沢熹一：最大のライバルにして精神的鏡像。
　互いに罵倒し合いながらも、戦いを通じて成長を分かち合う関係。

・小倉優希：同じ鬼龍の血を引く少女。友情以上、恋未満の関係。

・ガルシア28号：戦いを通じて彼の心臓と右目を継承。
　死後も龍星の中で生き続ける“宿敵であり継承者”。

・D-51（デゴイチ）：サイボーグ犬。失った心を癒す唯一の友。

象徴とテーマ

龍星は“継承”と“贖罪”の象徴。
父の闇、叔父の光、そして自らの矛盾を抱えながら、
灘神影流という血脈を次代へ繋ぐ“龍を継ぐ男”である。

総評

宮沢龍星はタフ・シリーズにおける“血と意思の継承者”。
鬼龍の暴力、静虎の理性、その狭間で苦悩し続ける“現代の業”。
彼の心臓の鼓動こそ、タフ世界における「生と死のリズム」そのものだ。

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