ロンギ [ハンターハンター]

所属・基礎データ

名前：ロンギ（Longhi）
所属：カキン帝国 第5王子ツベッパ＝ホイコーロ陣営
階級：私設兵／念能力者
家系：ビヨンド＝ネテロの実の娘（非公表）
出身：カキン帝国 王立軍学校出身（偽装結婚による戸籍）
性別：女性
外見：頬がややこけた端整な顔立ち。髪をポニーテール状に束ねている。
性格：冷静沈着・分析的・感情よりも理性を優先する現実主義者
目的：実父ビヨンドの呪詛計画を阻止し、その子をこの手で討つこと
系統：操作系（契約・制約型）
初登場：暗黒大陸編（王位継承戦・B・W号編）

人物像・背景

ロンギは、ビヨンド＝ネテロが三十年前に行った“遺伝子計画”の一環として生まれた。
ビヨンドは上級兵士たちを取り込み、偽装結婚をさせた上で複数の妻を作り、
自らの子を「夫婦の子」として育てさせ、王立軍学校へ送り込むという極秘工作を行っていた。
ロンギもその実験的血統のひとりである。

幼少期から念を操る才能を持っていたが、その能力の起点は“呪い”。
彼女は、実の父ビヨンドから無意識のうちに死後発動型の**呪殺念**を刻まれており、
同じく呪いを受けた異母姉妹・マカハとの交流によってそれを知る。

やがて二人は、ビヨンドが「呪殺念を媒介にカキン王子を殺害する計画」を立てていることを知る。
その動機は、カキン王族の中に潜むビヨンドの“真の子”を王に据えるため。
つまり、ロンギたち“外部の子供”を犠牲にして国家を掌握するという構想であった。

これを察知したロンギは、自らの意志で父の呪いを断ち切ることを決意。
「もしその子が王子の中にいるのなら、私の手で殺す」と誓いを立てる。
その目的のため、ツベッパ王子の護衛として活動しつつ、内密に調査を続けている。

念能力：透明言葉（ゲッコウジョウレイ）

系統：操作系能力者

**能力概要：**
「期限付き契約書」に相手の自発的な署名を得ることで、
相手と念による契約を交わす能力。

条件と特徴：
- サインは“自発的な意思”によるものでなければ発動しない。
- 契約内容は事前に嘘偽りなく相手に説明する必要がある（誓約条件）。
- 契約により、相手に能力を一時的に貸与したり、逆に行動を制限したりできる。
- 契約の有効期限が切れると自動解除される。

代表例：
クラピカとの契約では、
「互いの王子・王妃・所属兵への妨害・攻撃を禁じる」という協定を締結。
期限は“次週日曜午前9時”までで、第五王子側の使者が同時刻に1014号室に居る場合、
契約は自動更新される。

契約破棄時の罰則： もしクラピカが契約を破れば、“一週間の強制的な絶（オーラ遮断）”が発動。
これは行動不能に近い重い代償であり、ロンギの念がいかに精緻な制約体系を持つかを示している。

さらにロンギは、クラピカに対して**付与条件**を提示。
「第五王子が残り2名になるまでに、ビヨンドの実子を見つけ出すこと」——
この条件を満たした場合、クラピカは“賞与”としてこの能力を一度だけ使用できる。
ツベッパが協定破棄を宣言しても、調査を継続すれば再契約する意志を明言している。

このやり取りは、ロンギがツベッパへの忠誠と同時に、
自身の“父を討つ使命”を並行して遂行していることを象徴している。

人物評価・関係性

ロンギはツベッパ陣営の中でも知略・交渉・念理論のすべてに長けており、
第5王子の護衛兵として最も信頼されている人物の一人。

その冷静さは時に無機質にも映るが、感情を切り離しているわけではなく、
「王子の安全を最優先しながら父の計画を止める」という目的意識の強さに基づいている。

クラピカとの契約交渉では、双方が互いの倫理観と危険性を理解し合いながら、
完全な“対等な関係”を築いた数少ない事例である。

役割

ロンギは『HUNTER×HUNTER』における“血の継承”と“意志の継承”というテーマの
交差点に立つ人物である。

ビヨンドという“旧時代の探求者”の血を受けながらも、
その呪いを自らの手で断ち切ろうとする姿は、
冨樫作品における「親子関係の反転構造」を体現している。

（補助）SNS上では「ハンタ屈指の知略型女性キャラ」「クラピカとの静かな対話が美しい」と評されており、
その能力体系と思想性の高さから“カキン編の知性象徴”として位置づけられている。

閉じる