ネフェルピトー性別
「ネフェルピトーの性別」 <br> 『HUNTER×HUNTER』に登場するキメラ＝アント三大護衛軍の一人・ネフェルピトーは、作中でも長く議論の的となってきた“性別不明キャラクター”である。<br><br> 猫のような耳と尻尾を持ち、人間に近い童顔と華奢な体格をしていることから、 読者の間では「少年説」「少女説」の両方が存在していた。 一人称は「ボク」であり、語尾には「～ニャ」とつける中性的な喋り方をする。 この言語的中立性もまた、彼／彼女の性別を曖昧にしている要因の一つである。
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デザインとしての“中性性”
冨樫義博は、ピトーの初期デザイン段階から“性別不明の存在”として造形している。 猫科動物をベースにした体のシルエット、節足動物的な膝関節、そして無機質な顔立ち―― これらが組み合わさることで、男女どちらにも見えない“異種としての美”が生まれている。 物語の進行とともに表情が豊かになり、後期ではより人間的な“かわいさ”を帯びていくが、 その曖昧さは終始崩れない。
公式・準公式の位置づけ
原作および関連資料では明確な性別の指定はされていないが、 設定画の一部で胸部の膨らみが確認されるため、**女性寄りのデザイン**と見る向きが強い。 さらに、マッドハウス版アニメでは明確に女性体型として描かれ、 服越しでも丸みのあるラインが強調されている。 この演出のため、アニメ版を基準に「女性」と解釈されるケースが主流となった。
“性を越えた兵器”としての存在
とはいえ、ピトーは性差よりも“王に尽くす兵器”という存在意義が本質である。 母（女王）から産まれた生命体としての感情、 そして王を守るために進化し続けた忠誠心――それらは性よりも上位に位置する本能として描かれている。 ゆえにピトーの“中性的デザイン”は、単なる曖昧さではなく、 「生殖や性別を超えた生命の在り方」を象徴するものでもある。 彼／彼女の魅力は、この“境界を持たない美しさ”にこそ宿っている。
