ナスビ=ホイコーロ [ハンターハンター]

所属・基礎データ

名前：ナスビ＝ホイコーロ（Nasubi Hui Guo Rou）
地位：カキン帝国 国王
正妻：8人
子女：14人（全員正室の子。非婚外子のみ）
婚外子：複数（うち1人はモレナ＝プルード）
主な子：
・第1王子 ベンジャミン
・第2王子 カミーラ
・第4王子 ツェリードニヒ
・第9王子 ハルケンブルグ　ほか
関連組織：暗黒大陸探検隊（総責任者：ビヨンド＝ネテロ）
性格：冷静沈着／策略家／倫理よりも国家維持を優先する実利主義者
口癖：語尾に「〜ホイ」をつける
外見：禿頭に長い髭をたくわえた中年男性。威圧感と神秘性を併せ持つ。
初登場：暗黒大陸編（王位継承戦導入部）

人物像・性格

ナスビは一見すると飄々とした口調の老人だが、
その実態は**カキンという超国家の頂点に立つ冷徹な支配者**である。
自らを「王」として強く自覚しており、感情や倫理よりも「国家維持」を絶対の基準として行動する。

暗黒大陸進出を突如宣言し、ビヨンド＝ネテロを“利用”するという大胆な決断を下したが、
同時にビヨンドの危険性も理解しており、彼を「囚われの指揮官」として制御下に置くなど、
並外れた先見性と管理能力を見せている。

その一方で、念や王位継承儀式の危険性を完全に理解していながら、
14人の王子を強制的に“命懸けのゲーム”に巻き込む冷徹さを持つ。
彼にとって王子の死は“国のための自然淘汰”であり、
死者すら「国の構成要素」として保存・管理する執着を見せている。

王位継承戦とその哲学

ナスビは王位継承戦を通じて、「**強き者が王に立つ**」というカキンの原理を明確に具現化した。
儀式で用いられる“壺中卵の儀”は、念によって具現化される守護霊獣を宿すもの。
そのリスクを熟知した上で、王族全員に強制的に儀式を施す非情さを持つ。

第9王子ハルケンブルグとの問答では、彼の思想の核心が示される。

> ハルケンブルグ：「国民の命と王子の命、どちらを選ぶのか」
> ナスビ：「残すべきは国ホイ。国民の命に決まっているホイ。問題は誰がレバーを引くかだホイ。」

この発言からも分かるように、ナスビの価値観は極めて国家主義的であり、
個人の感情や倫理観よりも「国家という構造体の存続」を優先する。
それゆえ、善悪を超えた存在として描かれている。

暗黒大陸進出計画

突如として全世界に向け、「カキン帝国が暗黒大陸に進出する」と宣言。
この発表により、既存の世界秩序（V5体制）を揺るがす“第六勢力”としてV6の構築を促した。

ナスビはその総責任者としてビヨンド＝ネテロを指名。
通常ならば危険人物であるビヨンドを完全拘束し、
国家とハンター協会の思惑を利用して自国の優位を確立した。

この一連の動きは、単なる拡張政策ではなく、
「人類と国家の進化」を賭けた思想的実験とも受け取れる。

モレナ＝プルードとの関係

後に、三大マフィアの一つ「エイ＝イ一家」の組長モレナ＝プルードが、
ナスビの**愛人との間に生まれた婚外子**であることが判明。

この事実により、カキンの裏社会を牛耳る三組のマフィアが、
いずれもナスビおよびその血縁によって形成されていることが明らかとなる。
すなわち、カキンは表と裏の両面をナスビ一族が支配する国家である。

モレナ自身は父への憎悪を抱いており、
「世界を壊す」という破滅的な思想を掲げているが、
それすらナスビの掌の上にある可能性が示唆されている。

役割

ナスビは『HUNTER×HUNTER』全編における“統治者像の極地”として位置づけられる。
彼の存在は、善悪ではなく「秩序と淘汰」の概念を体現しており、
王位継承戦はその哲学を可視化した国家実験に他ならない。

その冷徹さは狂気すら帯びるが、
同時に“国家を背負う者の宿命”として読者に深い印象を残す。

（補助）SNS上では「冨樫の描く理性の怪物」「全てを支配する神に最も近い王」と称され、
彼の一挙手一投足が、王位継承戦全体のトーンを支配していると評されている。

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