鷹見 [ふつうの軽音部]
鷹見項希（たかみ・こうき）は『ふつうの軽音部』（クワハリ／出内テツオ、集英社・少年ジャンプ＋連載）に登場する谷九高校軽音部の1年生。<br> バンド「protocol.」のギターボーカルで、容姿・学力・演奏技術のすべてにおいて突出した存在。<br> 一見“完璧な人間”に見えるが、その内面には深い葛藤と自己嫌悪が渦巻いている。
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所属・基礎データ
所属：谷九高校軽音部／バンド「protocol.」ギターボーカル。
学年：1年。
性格：クールで知的だが、他人との距離を詰めるのが苦手。
演奏技術：学内随一のギタリストとして知られ、演奏構成・音感の両面で高い精度を持つ。
外見：整った顔立ちと落ち着いた佇まいで、女子からの人気が高い。
人物評：周囲からは「何でもできる完璧な男」と見られているが、その裏で“普通であることへの恐れ”を抱えている。
主要エピソード
鷹見は第1話で、鳩野ちひろが初めてギターを買う場面で登場し、後に軽音部で再会する。
鳩野とはライバル的な関係でありながらも、互いに強く影響を与え合う存在となる。
高校入学後は、藤井彩目（当時の彼女）とバンド活動を行うが、彩目の一言「自分が特別でもなんでもないことをわかっとけ」に傷つき、夏休みに別れを告げる。
そのやり取りは、彼の「自分は何のために音楽をやるのか」という問いを深める契機となった。
彼の兄・竜希から告げられた「お前は普通に生きてくれ」という言葉が、彼の中で呪縛のように残っており、
以降、鷹見は“普通であること”を恐れながら、何かを追い求めるように音楽を続ける。
第69〜72話の過去編・ハロウィンライブ編では、このテーマが顕在化。
鳩野への「なんで音楽をやってるの？」という質問を通して、実は自分自身の理由を探していたことに気づく。
結果として、彼は“自分自身が音楽をやる理由”を見つけたことで、鳩野への質問を「なし」と答えるに至った。
演奏・役割
鷹見は「protocol.」のサウンドリーダーであり、演奏技術・構成・統率力のいずれにも秀でている。
彼のギターは感情よりも完成度を重視し、繊細なフレーズと安定したピッキングで構成される。
ライブ中は冷静で一歩引いた姿勢を保ちながらも、時折見せる激情的な表情が印象的であり、内面の矛盾をそのまま音に投影している。
一方、鳩野や「はーとぶれいく」との対比では、技術的な上手さだけでは埋められない“心の温度差”が浮き彫りとなる。
後半では、「高校生のうちに音楽をやめる」という決意を見せるが、これは単なる諦めではなく、
“自分の限界を理解した上で区切りをつけたい”という自己肯定への第一歩とも読める。
鷹見項希は、『ふつうの軽音部』という作品が提示する「ふつうであることの痛み」と「それでも音を鳴らす理由」を体現するキャラクターである。
