軍議 [ハンターハンター]

① 基本情報

【名称】軍儀（Gungi）
【起源】東ゴルトー王国発祥の知略競技
【勝利条件】相手の「帥（スイ）」を取る
【駒数】14種類（動き・能力が各異なる）
【難易度区分】入門編／初級編／中級編／上級編
【初出】コミックス第21巻（アニメ第94話付近）

軍儀は一見将棋に似ているが、配置の自由度や駒の合成といった独自要素によって、より抽象的で創造的な戦略性を持つ。
東ゴルトーでは知能指数の指標として扱われ、国の名人位を持つ者は国家的英雄として扱われる。

② ルール概要

【目的】
相手の「帥（スイ）」を先に取ることが勝利条件。将棋の「王将」に相当する。

【初期配置】
・持ち駒14種類を、盤上の好きな位置に自由配置できる。
・先手が全駒を配置後、後手は1駒だけを配置して試合が開始される。
・配置しなかった駒は「持ち駒（アラタ）」として保持し、任意のタイミングで打てる。

【特有要素】
・「新（アラタ）」：持ち駒を再投入する手法。将棋の「打ち駒」に近いが、制限が少ない。
・「ツケ」：自駒を他の駒（敵・味方問わず）の上に重ね、強化する戦法。
　→重ねた段数が多いほど駒の移動範囲・力が増す。
・「離隠（ハナレガクシ）」：駒を一時的に退避させつつ再登場させる高等戦法（作中でメルエムが使用）。

③ 戦略性と魅力

軍儀の最大の特徴は、**盤上が平面でなく“構築可能な戦場”として機能する点**にある。
ツケによる多層的な駒の動きや、新（アラタ）による再展開などにより、局面は常に流動的。
「攻め」「守り」「再生」のバランスを読み合う戦略が求められる。

特に「駒を重ねる」発想は、心理戦と盤面制圧の融合であり、王メルエムが学習の末に見出した“直感と理論の両立”を象徴する。

④ 作中での意義

軍儀は単なる競技ではなく、
・メルエムにとっては“理解不能な人間の知恵”の象徴。
・コムギにとっては“生きる理由そのもの”。
という対比構造の中心に置かれている。

コムギが編み出した必殺の一手「狐狐狸固（ココリコ）」、そして彼女が“かつて殺した子”と呼ぶその手をメルエムが再現した「離隠（ハナレガクシ）」は、二人の魂が呼応する象徴的モチーフである。

⑤ 評価と文化的影響

作中で架空の競技でありながら、その完成度と描写の緻密さから読者・ファンの間で実際に盤面再現が試みられるほどの人気を誇る。
また、軍儀は「理性と感情」「学習と直感」「勝敗と理解」というテーマを内包し、人間性を探求するための象徴的メタファーとして位置づけられている。

その一局ごとに、“勝ち負け”を超えた生命の対話がある——それが軍儀である。

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