真人（まひと） [呪術廻戦]

概要・立ち位置

・等級：特級呪霊（未登録）
・発生源：人が人を憎み・恐れた“腹の底”の感情
・外見：
　— 継ぎ接ぎだらけの皮膚を持つ青年風の姿
　— 黒いローブで身体を覆う、人型の呪霊
・役割：
　— 夏油（羂索）と手を組む呪霊側の“実働リーダー”
　— 「幼魚と逆罰」編・「渋谷事変」編のラスボス的存在
・宿敵関係：
　— 真人 → 虎杖に対して「何度でも殺したい」と執着。
　— 虎杖 → 真人に対して初めて「ブッ殺してやる」と純粋な殺意を抱く。

性格・思想

・軽薄で子供っぽく、好奇心旺盛。
・人間には優しく接するフリをするが、本心では玩具・素材扱い。
・同族の呪霊には心から親しみを抱き、「家族／友達」のように接する。

・価値観：
　— 「呪いは呪いらしく、人間を自由に殺すべき」
　— 軸や一貫性よりも“気分”と好奇心を優先。
　— 理性を得ても「人を殺したい本能」に逆らう理由はないと考える。

・魂観：
　— 魂そのものを“視る”ことができる術式保持者。
　— 「喜怒哀楽などの感情は魂の代謝物」「命に重みなどない」という持論。
　— 夏油の「肉体と魂は表裏一体」とは魂観が真逆で、
　　　「見えている世界が違う」と互いに認め合う場面もある。

・趣味：映画・読書などで「人間」を研究。
　— ただし映画館の入場料は払わない。
　— トールキンの引用を自然に口にできる程度には読み込んでいる。

・番外編では、欲の薄いホームレス老人との奇妙な交流も描写され、
　「世界中の人間がアンタみたいだったら、俺は生まれなかった」と感じている。

戦闘能力・弱点

・魂を直接知覚し、肉体を変幻自在に変形できるため、
　— どれだけ身体を破壊されても、呪力さえあれば即座に再生可能。
　— 魂を直接いじられない限り“実質不死身”クラス。

・しかし、以下は真人の“天敵”となる：
　— 虎杖悠仁：
　　　器として宿儺の魂と同居している影響で、
　　　無意識に魂の輪郭を掴んでおり、直接真人の魂を殴れる。
　— 両面宿儺：
　　　真人が虎杖の魂に触れようとすると同時に宿儺にも触れてしまい、
　　　魂干渉を逆にカウンターされる。真人にとって絶対的な格上。
　— 釘崎野薔薇「共鳴り」：
　　　魂と肉体の繋がりを辿って内部からダメージを通すため有効。

・また、呪力が尽きるまでひたすら殴り続けられたり、
　全身を一撃で粉々にするような超火力も有効打となる。

術式：無為転変（むいてんぺん）

基本性能
・相手の魂に“素手で触れ”、魂の形を操作する事で、
　肉体を形状・質量無視で好き勝手に改造する術式。
・「魂を呪力で覆い輪郭を保つ」以外の防御手段がなく、
　それができない術師・人間は触れられた時点でアウト。
　— 改造された人間は二度と元に戻れず、遅かれ早かれ死亡。
・呪霊への有効性も（ゲーム媒体などで）示されている。

自己改造としての応用
・自分に対して使う場合はノーリスクで肉体変形が可能。
　— ドリル・鈍器・刃物・棘などへの武器化
　— 巨大化・縮小・腕や脚の増殖
　— 馬の脚で脚力増強 → 瞬間的接近戦
— 翼を生成して飛行
　— 魚や獣への変身で水中・森林高速移動
・腕を銃口化し、縮小した改造人間を“弾丸”として撃ち出すなど、
　戦術・トラップのバリエーションも異常に多い。
・他人をペラペラにして“着ぐるみ”として被り、一般人に擬態も可能。
・時間差変形で、触れた人間の身体を“爆裂”させて目眩ましもできる。

その他の用途
・攻撃以外にも、メカ丸のような先天的な重度障害・欠損を
　改造で「完治」に近いレベルまで補修することも可能。
　ただし真人の性格的に、治療目的の使用は極めて稀。

派生技・バリエーション

改造人間
・無為転変により魂から作り変えられた人間。
　— 呪霊ではなく“いじられた人間”なので一般人にも視認できる。
　— サイズは掌サイズ〜10m超まで幅広く生成可能。
　— 手のひらサイズは体内にストックし、必要に応じて吐き出す。
・闘わせるとショック死しやすく、基本的に短命。
・ただのコマとしてだけでなく、巨大質量攻撃・武器化など用途は多い。
・渋谷事変では“数千体規模”を地下鉄などで渋谷に送り込み、
　ハロウィンの街を一瞬で地獄絵図に変えた。

多重魂（たじゅうこん）
・複数の魂を無理矢理融合させる技。

撥体（ばったい）
・多重魂が起こす拒絶反応を利用し、魂の“質量”を爆発的に高めて放つ技。
・融合させる魂の数に応じて威力・範囲が増大。

幾魂異性体（きこんいせいたい）
・拒絶反応の弱い魂同士を合成した改造人間。
・複数魂を一瞬で燃やし尽くすことで高火力を実現するが、
　活動時間は極端に短く、耐久も非常に低い。

遍殺即霊体（へんせつそくれいたい）
・黒閃を経て真人が理解した「自らの魂の本質」をむき出しにした姿。
　— 人間寄りだった外見から一転、“怪人”のような形態に変化。
　— 攻撃力・スピード・防御力が段違いに跳ね上がる。
・原型の200%の強度を持ち、
　「両肘ブレード以外は変形しない」という縛りで更に強度をブースト。
　— ブレードは“変形時間を短くする”縛りで強度を保ち、中距離を刺す。
・この状態でも両手は原型のため、無為転変の発動は継続可能。
・虎杖の最大出力黒閃＋真人の疲弊＋ブレードの脆化、
　複数条件が揃わなければ、本来なら虎杖すら一瞬でバラバラにできるレベル。

領域展開：自閉円頓裹（じへいえんどんか）

・掌印：弥勒菩薩印＋孔雀明王印を「口の中に生やした手」で同時に結ぶ。
・内部は人間の腕が格子のように張り巡らされた閉鎖空間。

・効果：
　— 本来“直に触れなければならない”無為転変が、領域効果で必中化。
　— 領域内に取り込まれた時点で、魂を守れない者はほぼ即死確定。
・ただし、無為転変自体は真人の任意発動のため、
　通常はごく僅かな“猶予”が存在する。

・虎杖侵入時には、領域越しに宿儺の魂に触れてしまい逆鱗を買う。
　— この事から、領域内の魂には常時アクセスできる状態と分かる。
・渋谷事変では、黒閃＋五条の戦いを見た経験から0.2秒領域を会得し、
　— 無為転変の“猶予”すら消し飛ばす精密ピンポイント変形を実現。
　— 通常なら術式が焼き切れるはずの領域後にも、異常な速度で再使用している。

物語上の役割と最期（渋谷事変）

・順平事件（幼魚と逆罰）で虎杖を徹底的に追い詰め、
　— 虎杖に“初めて人を殺させた”張本人。
　— 虎杖の価値観を根底から壊した存在として物語に刻まれる。

・渋谷事変では、五条封印作戦の大混乱の中で改造人間を大量投入し、
　都市規模の虐殺を楽しみながら“呪霊側の勝利”を演出。

・しかし、虎杖との死闘と東堂の乱入で追い詰められ、
　— 遍殺即霊体でなお虎杖を殺し切れず、
　— 東堂のブラフに騙され、最大の黒閃を直撃される。
・改造人間のストックも尽き、逃亡に転じるが、
　— 鬼気迫る虎杖の追撃に完全に呑まれ、最後には
　　　「石を投げることしかできない」ほど追い詰められる。

・そこへ現れる“夏油”──実際は羂索。
　— 真人は彼が「弱ったタイミングでうずまきに取り込み、術式を抜き取る」
　　　つもりだったことを見抜いており、一瞬反撃を試みる。
　— しかし力尽き、呪霊操術で取り込まれてしまう。

・偽夏油は極ノ番「うずまき」を発動し、
　— 真人の存在そのものを粉砕・消滅させ、
　— 術式「無為転変」だけを抽出して自らの力に取り込む。
・こうして、呪霊達のリーダーだった真人は、
　“呪霊を駒として弄ぶ人間（羂索）”の手で処分される皮肉な最期を迎えた。

所感・推しポイント

・呪術全体でも屈指の「見ていてムカつく悪役」なのに、
　— 魂観や“呪いとしての矜持”には妙な説得力があり、
　— だからこそ虎杖との対立構図が物語の芯に食い込んでくる。

・順平・七海・釘崎・東堂・虎杖…と、
　主要キャラの価値観に直接干渉し続けるラスボス枠で、
　「呪いとは何か」「人を救うとは何か」というテーマを一番エグく見せる存在。

・最後は“呪霊を利用する側の人間”に喰われるという皮肉なオチも含めて、
　呪術廻戦の「呪いと人間の関係」を象徴するキャラと言っていい。

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