ジャイロ [ハンターハンター]

所属・基礎データ

登場章：キメラ＝アント編〜（本編未完の裏設定的存在）
出身：スラム街（国名不明）
所属：NGL（創設者／初代統治者）
年齢：不明（NGL建国時30歳前後）
特記：キメラ＝アント女王に食われ、兵隊蟻として転生後も自我を保持した唯一の人間。
思想：世界を「悪意」で塗り潰すことを理想とし、
　　　人類社会の虚偽と支配構造そのものを否定する反社会的信念を持つ。
関係者：ウェルフィン（ザイカハル）、イカルゴ（旧側近）

主要エピソード

幼少期と転機
貧困地区の父子家庭に生まれる。父親は暴力・搾取・虐待を繰り返す最低の男であり、
ジャイロは幼少期から教育を受けられず、奴隷同然の労働に従事していた。
それでも父への愛情を捨てきれなかったが、12歳の頃、
父が自分を人間ではなく“道具”としか見ていなかったことを悟り、激怒の末に撲殺。
この事件を境にジャイロは完全に“人間への信頼”を捨て去った。

NGL建国
父殺害から12年後、21歳で環境保護団体を設立。
9年後には国家「NGL（Neo Green Life）」を建国し、
自然至上主義を掲げて外部干渉を排除する閉鎖的国家体制を確立。
しかしその理念は欺瞞に満ちており、裏では麻薬「D²」を製造・流通させ、
世界を悪意で汚染することを目的としていた。
NGLの自然主義や電化禁止令も、支配を隠すためのカモフラージュに過ぎない。

女王蟻襲来と転生
キメラ＝アントの女王がNGLに漂着したことで国は崩壊。
ジャイロ自身も捕食され兵隊蟻として転生する。
しかし彼は“強烈な悪の意思”によって女王の支配を破り、
人間時代の記憶と自我を取り戻す。女王が健在なうちに巣を脱走し、
人間社会へと姿を消した。
NGL出身の蟻たちの中で、自我を完全に保持したのはジャイロただ一人である。

消えた王と「再建」への伏線
女王死後、元側近のウェルフィンは「ジャイロは生きている」と確信。
「きっともう一度国を興している」と述懐しており、
ジャイロの再登場はシリーズ最大の伏線として残されている。
ウェルフィンらは流星街へ向かい、再会を誓う。

思想と能力

ジャイロの思想は「人間の本質＝悪意」とする虚無的世界観に基づく。
NGLの運営も環境主義の皮を被った「社会破壊の実験」であり、
麻薬D²の流通によって“人間を狂わせる仕組み”を作り出した。
念能力は未登場だが、
人間時代から極めて強靭な意志と統率力を持ち、
NGLを一代で国家にまで築き上げたカリスマを有している。

役割

ジャイロは『HUNTER×HUNTER』全体における“悪の原点”を象徴する人物である。
その存在はキメラ＝アント女王やメルエムをも超える
「人間の悪性が生み出した異形」として位置づけられている。

作品的には、メルエムが“人間の善”を知って滅びたのに対し、
ジャイロは“人間の悪”を貫いたまま新たな段階へ進む存在として対比される。
流星街との接触が示唆されており、彼の再登場は
世界構造そのものを揺るがす次章の中心要素になると目されている。

SNS・読者反応では「蟻編の真の黒幕」「人類の鏡像的存在」として、
“冨樫義博最大の未完伏線”の一つとして語られ続けている。

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