おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか
「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか」 <br> このフレーズは、荒木飛呂彦による漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第1部「ファントムブラッド」において、<br> 吸血鬼へと変貌したディオ・ブランドーが、ツェペリからの糾弾に返した言葉である。<br><br> 数日前のジョナサンとの戦いで全身に大火傷を負ったディオが、<br> 再び現れた時にはほぼ完治した状態であった。<br> その異常な回復力は、人間の血を大量に吸い取った結果であるとツェペリは看破し、<br> 「何人の命を犠牲にしたのか」と問い詰める。<br><br> その問いに対して、ディオは罪悪感も後悔もなく、<br> 日常の食事に例えることで残虐な行為を軽んじてみせた。<br> それが「おまえは今まで食ったパンの枚数をおぼえているのか」という、<br> 悪の冷酷さを凝縮した象徴的フレーズである。
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日常と非日常の転倒
人の命を奪う行為を「パンを食う」日常的な営みと同列に扱うことで、
倫理観の崩壊を誇示する。
常識との落差が、ディオの異常性を強烈に印象づける。
罪悪感の欠如を言語化
ツェペリの怒りと正義感を正面から否定し、
命を奪うことに「数える価値すらない」という論理を突きつける。
これにより、ディオは単なる悪役を超えた“人間性の完全な否定者”として立ち上がる。
文体の普遍性
「〜をおぼえているのか」という問いかけの形式は普遍的であり、
シーンを知らずとも日常生活に適用可能。
その汎用性が後のパロディ拡散を後押しした。
ミーム化とパロディ文化
ネットでは「おまえは今まで○○した回数をおぼえているのか」と改変され、
さまざまな対象に置き換えて使われる定型句に発展。
原作の冷酷な場面性を超えて、ジョークや皮肉の文脈で広く親しまれるようになった。
