ドンスライム [トリコ]

①所属・基礎データ
ドン・スライムはかつて全宇宙を支配していた力の持ち主とされるグルメ細胞の悪魔で、復活のために優れたグルメ細胞を持つ一龍に宿った。
一時期は自らの文明「ブルーグリル」をエリア6に築き、アカシアのフルコース（特にアナザ）を再生することで完全復活を図っていた。
読者投稿由来の設定を含み、作中では一龍との長い関係性や「世界中の人が同じ食卓につく夢」を語る描写がある。

②主要エピソード
人間界編の美食會との決戦で一龍はドン・スライムの力を借りず戦い命を落とす。
その後、一龍の復活を目指す小松一行をエリア6へ案内し、調理の実力を見極めてフルコース調理を完了させるが、一龍本人から「死んだ者は二度と蘇らない」と拒絶される。
十貝五人衆のアサルディーを犠牲にして一龍を復活させたのち、アカシアの宿るネオと数十億年ぶりに交戦したが全盛期の力を取り戻せず、最終的にネオに食われてしまう。
作中後半で明らかになった事実として、ネオに食われた物は消滅せず体内に留まり、ネオがトリコに敗れた際にそれらは吐き出された。

③能力・役割
形態可塑：あらゆる物体に細胞レベルで姿を変える（擬態・変化・同化）。
超破壊技（全盛期）：パンチ一発で星や恒星を破壊、星を復元するほどの力を持っていたとされる。
主な技一覧（作中表記・伝承）：
・黒い稲妻 — 漆黒の電撃を伴う攻撃。
・漆黒の竜巻 — 複数の竜巻状攻撃群。
・黒の卸し金 — 地面に無数の棘を発生させる殲滅技。
・災害豪雨 — 上半身を肥大化させ多数の隕石を降らせる。
・超新星爆発 — 両手から恒星を生成し、半径光年規模の壊滅的爆発を引き起こす。
役割的には、かつての「全宇宙支配者」の残滓としての脅威であり、同時に一龍を通じて人間側に「導き」や「試練」を与える存在でもあった。

総評
ドン・スライムは“変化”と“破壊”を体現する古代の悪魔であり、復活と滅びを巡る物語の触媒として機能したキャラクターである。
一龍との宿りと別離、そしてネオとの最期の交戦は、力の繁栄と衰退、そして“食う者／食われる者”という本作の大きな主題を象徴する。
全盛期の伝承的なチート能力と、復活時の弱体化という二面性が彼の悲劇性を強め、物語世界における“過去の脅威”を現在へ引き戻す役割を担った存在である。