ドドリアンボム [トリコ]

①所属・基礎データ
分類：植物系食材／別名：臭気爆弾果実。
特徴：一本の樹に一つだけ果実をつける極稀少種。
自然個体は約300年前に絶滅していたが、植物再生屋・鉄平によって誤って復活してしまう。
その強烈な悪臭ゆえにIGOが生息地を立入禁止区域に指定している（ただし誰も近づかないため、見張りやフェンスは存在しない）。
外見は巨大ドリアン状だが、臭気の濃度は常軌を逸しており、半径100km圏内の生命活動を停止させるレベル。

②主要エピソード
トリコと小松が採取に向かった際、持参した保存食が腐敗し、衣服が朽ちるなど常識外の現象が発生。
過去には宇宙服並の防護装備で採取を試みた記録があるが、果実自体が溶解してしまったため「生身でしか捕獲できない」特殊条件が存在する。
発見時、果実はすでに熟しており落下と同時に炸裂──臭気は全世界へ伝播し、人類（ゾンゲを除く）全員が顔をしかめるという前代未聞の惨事となった。
その後もトリコと小松は“気絶→悪臭で起床→再び気絶”を一ヶ月繰り返す末に臭気耐性を獲得し、ついに捕獲に成功。
悪臭は体に染みついたが、果実自体を食べることで臭いは完全に消えた。味は極めて美味。
占い料理人モンチーによって恵方巻の具材や、トリコとリンの結婚式デザート「虹の実ゼリー」の素材として再登場している。
いずれの場面でも、臭気を抑えた状態でさえ客が悶絶。唯一ゾンゲのみ平然と完食し、おかわりを要求した。

③能力・性質
・臭気爆発：熟果が落下した際、半径100km内の草木を枯らし、魚類を窒息死させる。
・腐敗誘導：生物・金属・繊維問わず腐蝕反応を引き起こす。
・消臭逆転効果：実を摂取すると身体に付着した悪臭が中和される。
・高栄養・高旨味：臭いとは裏腹に味は芳醇で、調理に成功すれば希少な高級食材として利用可能。

総評
ドドリアンボムは『トリコ』世界でもっとも極端な“危険と旨味の共存”を体現した植物である。
絶滅からの復活、世界規模の臭気災害、そして食材としての奇跡的な美味──その存在自体が“食の狂気”を象徴している。
トリコと小松の試練回として印象深く、同時に“臭さすら料理に昇華する”というシリーズ理念を示す象徴的エピソードでもある。