考えるのをやめた
「考えるのをやめた」 の元ネタとは <br> このフレーズは、荒木飛呂彦による漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第2部「戦闘潮流」において、<br> ラスボスである“究極生命体”カーズの最期を描いたナレーションの一節である。<br><br> 波紋と火山の噴火によって宇宙空間へと吹き飛ばされたカーズは、<br> 不死身の肉体ゆえに死ぬこともできず、<br> 真空と寒冷にさらされながら果てしない孤独へと放り出された。<br><br> やがて彼の意識は途方もない時間の中で崩壊し、<br> 最後に「考えるのをやめた」と記されることで、<br> 人智を超えた存在が“思考停止”という皮肉な終焉を迎えることとなった。
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究極と虚無の対比
「究極生命体」として完成したはずのカーズが、
最終的に辿り着いたのは“死”ではなく“思考停止”だった。
究極＝永遠の命が、むしろ虚無と停滞を生むという逆説が強烈。
ナレーションの冷静さ
戦闘のクライマックスで放たれる派手な台詞とは対照的に、
淡々と「考えるのをやめた」と語るモノローグ的ナレーション。
その冷静さがかえって恐怖と哀れみを伴う余韻を残す。
人間讃歌との対照性
『ジョジョ』全体のテーマである「人間讃歌」と対をなす位置にある。
人間は考え、もがき、選択することで尊さを持つ。
その反証として、カーズは“考えることをやめた存在＝虚無”として描かれる。
「考えるのをやめた」とディアボロ
第5部のラスボスであるディアボロは、ゴールド・エクスペリエンス・レクイエムによって
「終わりのない死」という無限ループに閉じ込められる運命をたどる。
両者は直接リンクしていないが、ファンの間では「カーズが“考えるのをやめた”」のに対し、
「ディアボロは“死ぬのをやめた”」と形容されることがある。
これはいずれも“ジョジョ流の究極的罰”であり、
一方は思考放棄による永遠の漂流、もう一方は終わらぬ死の繰り返し。
対比的に語られることで、作品世界における「絶望の到達点」を象徴する表現として親しまれている。
ミーム化・パロディの過程
ネット文化において「考えるのをやめた」は、
諦めや思考放棄を自虐的に表現するテンプレとして拡散。
絶望・徒労・バカバカしさを前にして「もう考えるのをやめた」と引用されることで、
本来のシリアスな結末がパロディ的に消費される二重性を持つ。
「考えるのをやめた」と『鬼滅の刃』
「考えるのをやめた」は、ジョジョ系の表現やネタでよく用いられるフレーズだが、
『鬼滅の刃』においてはそのままの文言で使われた例は確認されていない。
むしろ『鬼滅』では逆の思想がしばしば語られる。例えば、炭治郎の名言に「考えろ、焦るな。絶対に思考を放棄するな」という言葉がある。
これは、「考えることをやめる＝逃避すること」に対して強く否定する立場を示しており、
主人公たちが苦難や絶望に直面しても思考を止めず、道を探り続ける姿勢を象徴している。
