猿渡哲也

概要

生年月日：1958年6月25日
出身：福岡県大牟田市（兵庫県姫路市育ち）
デビュー：『海の戦士』（週刊少年ジャンプ）
受賞歴：第21回手塚賞準入選（『ショット!』棚渡哲也名義）
師匠：平松伸二／本宮ひろ志
代表作：『力王』『TOUGH』『高校鉄拳伝タフ』ほか

作風と特徴

高いデッサン力に支えられた緻密な人体描写と、暴力的なアクション表現が特徴。
特に関節技などの描写に優れ、他の格闘漫画にはない迫力を持つ。
週刊連載を40年以上継続しながら一度も原稿を落としたことがないとされるほど筆が早いが、トレスやコピペによる再利用など省力化の工夫も行っている。

その一方で、設定変更や時系列の混乱など「猿展開」と呼ばれる展開の荒さも特徴的。
キャラの性格や設定が唐突に変化し、理屈より勢いで読ませるスタイルが魅力とされる。

こうした無茶苦茶さにもかかわらず、読者を引き込む熱量と迫力に溢れ、作品全体が「強さ」への敬意と生命力で満ちている。
短期連載や義理人情モノでは特に完成度が高く、猿渡作品の真価が発揮される。

創作姿勢と人物像

穏やかでユーモラスな人柄で知られ、ファンからは「猿先生」と呼ばれる。
SNSアイコンはリアルな猿のイラストで、自ら「猿空間」といったネット語を使うこともある。
格闘技への敬意は深く、月に数回試合観戦を行う。前田日明襲撃事件を現場で目撃したことでも知られている。

師匠の平松伸二や高橋陽一とは現在も親交があり、講演会などに共同出演することもある。
また、アシスタントに徹夜をさせない方針を徹底しており、職人気質ながらも人間味のある指導者である。

エピソード

・一度も原稿を落としたことがないが、一度だけ「落としそうになった」ことがあり、その際に「指を折って言い訳にしよう」と考えたという逸話がある。
・アトリエでは徹夜禁止。自らの過酷な下積み経験を踏まえての方針。
・食べ物の描写が下手で有名で、板垣恵介との対比がしばしば話題になる。
・グロ描写は苦手で、実写版『力王』の試写会ではグロさに耐えられず途中退席したという。

私生活と愛犬家として

長年にわたり犬を飼っており、現在の愛犬Luckyは四代目。2025年時点で10歳。
犬好きとして知られ、「犬猿の仲」という言葉は猿先生には無縁といえる。

ユーザーの声

> 設定が崩壊しても勢いで読ませる天才。
> 「猿展開」込みで愛されている稀有な作家。
> あの熱量を毎週届け続けるのは本当にすごい。

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