ダンジョン飯

概要

作品名：ダンジョン飯（英題：Delicious in Dungeon）
作者：九井諒子
掲載誌：『ハルタ』（KADOKAWA）
連載期間：2014年2月号〜2023年9月号
巻数：全14巻
ジャンル：ファンタジー／料理／冒険／人間ドラマ
受賞：第55回星雲賞コミック部門（2024年）
アニメ制作：TRIGGER（第1期 2024年放送／第2期 制作決定）

作品概要

本作は、古典的RPG風のファンタジー世界を舞台にした冒険譚。
「モンスターを調理して食べる」というユニークな発想を軸に、
生存と食の哲学を描き出す。
冒険者たちが食料不足に陥った際に、
スライムやバジリスク、食人植物などのモンスターを食材として調理しながら進むという、
グルメ漫画×ファンタジーという新機軸のジャンルを確立した。

作風と特徴

スライムは胃液で体を覆う、動く鎧は“鎧型の貝類”である、など、
モンスターを生物学的に再構築するリアリズムが特徴。
それらを理屈の通った調理法で“食べられる料理”へと昇華させる描写が魅力の一つである。
料理は奇抜ながらも、現実の調理法を応用した説得力のある構成。

一見ギャグ風の設定ながら、
ダンジョンの構造や魔法体系、各種族の文化などの設定は精密に作り込まれており、
中盤以降は迷宮そのものの正体や登場人物の過去に迫る“正統派ファンタジー”として展開していく。

あらすじ

滅びた黄金の国の王を名乗る男が現れ、
「狂乱の魔術師を倒した者に国の全てを与える」と告げて消えた。
その言葉を信じ、多くの冒険者が地下深くへ挑む。

冒険者ライオス・トーデン率いる一行は、
罠と誤った地図に翻弄され、食料も尽きたままレッドドラゴンと遭遇。
全滅寸前に妹ファリンの魔法で脱出するも、彼女だけが犠牲となる。
ライオスは妹の蘇生のため、物資調達も待たず再突入を決断。
彼の発案した“ダンジョン内で食料を調達する方法”が、
やがて“モンスター食”という前代未聞のサバイバルへと繋がっていく。
魔物食を研究していたドワーフ・センシが加わり、
一行は「食べて生き抜く」旅を始める。

登場人物

・ライオス・トーデン（CV：熊谷健太郎）
　種族：トールマン。パーティリーダー。魔物好きの剣士。

・マルシル・ドナトー（CV：千本木彩花）
　種族：エルフ。理論派魔術師。ライオスの古い仲間でファリンの親友。

・チルチャック・ティムズ（CV：泊明日菜）
　種族：ハーフフット。罠師。皮肉屋だが責任感が強い。

・ファリン・トーデン（CV：早見沙織）
　種族：トールマン。ライオスの妹で神官。物語冒頭でドラゴンに喰われる。

・センシ（CV：中博史）
　種族：ドワーフ。魔物料理研究家。10年の研究を経て食の哲学を体現する。

・イヅツミ（CV：神戸光歩）
　種族：トールマン（獣人化）。忍者であり、呪いを解くために旅を続ける。

メディア展開

・ボードゲーム『モンスターイーター ～ダンジョン飯 ボードゲーム～』（2022年9月発売）
・テレビアニメ：TRIGGER制作（2024年放送／第2期制作発表）
・コラボイベント：『アークナイツ × ダンジョン飯』
　イベント名：「テラ飯 ~Delicious on Terra~」（2025年3月開催）

受賞歴

2024年：第55回星雲賞コミック部門受賞。
ノミネート時には『ハイパーインフレーション』『マンダロリアン』などと並び注目を集めた。

作品の魅力

・モンスター生態の理屈を再構築する科学的ファンタジー性
・“食”を通して生と死を描く哲学的テーマ
・ギャグからシリアスまで自在に転換する構成力
・キャラクターたちの生活臭や倫理観のリアリティ

ユーザーの声

> 「最初は飯テロ漫画だと思ってたのに、気づいたら泣いてた」
> 「“食べる＝生きる”をここまで正面から描いた作品は他にない」
> 「センシの“食は生の特権”という言葉が全てを物語っている」

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