永久機関が完成しちまったな
「永久機関が完成しちまったな」 <br> このセリフは、藤本タツキによる漫画『チェンソーマン』に登場する主人公・デンジが、 「永遠の悪魔」との戦いの最中に口にした言葉である。<br><br> デンジは悪魔を斬り続けることで血を流させ、 その血を飲むことで自身を回復させるというループに突入する。 この自己完結した循環を「永久機関」と呼び、 誇らしげに叫ぶ様子は、彼の残念な頭の回転と狂気的な執念を同時に表している。
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科学用語の誤用が生む笑い
「永久機関」とは人類の夢であり、物理法則上は不可能とされる装置である。 それをデンジは「敵の血を飲んで回復する」という単なる自給自足のループに当てはめ、 **大真面目に“完成”と豪語する**。 この知識の欠落と豪胆さが、読者に強烈なギャグ性を与える。
狂気と無限ループの表現
敵を斬り続け、血を飲み続けるという行為は、 外部から見ればただの拷問じみた狂気のループである。 だがデンジ本人はそれを勝利の論理と捉え、 **疲労や恐怖を超えた執念**を露わにする。 このねじれが、『チェンソーマン』特有の狂気的ユーモアを形作っている。
ノーベル賞発言による自己陶酔
「これでノーベル賞は俺んモンだぜ～！」という続きの台詞は、 彼の自己評価の歪みと子供じみた誇大妄想を象徴する。 人類史的偉業とされる発明を、 血と暴力の無限ループに重ねる滑稽さが、 デンジのキャラクター性を最も鮮烈に示す瞬間となっている。
「永久機関が完成しちまったな」は、 科学的意味から大きく逸脱しながらも、 デンジの愚直さ・狂気・愛すべき滑稽さを一度に凝縮した名台詞である。
