寄生獣リバーシ
『寄生獣リバーシ』（きせいじゅうリバーシ）は、岩明均の『寄生獣』を原作としたスピンオフ漫画で、太田モアレの作画により2018年3月から2021年5月まで講談社のWEBコミック誌『コミックDAYS』で連載された。
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概要
原作：岩明均
漫画：太田モアレ
掲載誌：コミックDAYS（講談社）
連載期間：2018年3月～2021年5月
単行本：全8巻（アフタヌーンKC）
ジャンル：SF／サスペンス／スピンオフ作品
作品内容と構成
本作は『寄生獣』本編のほぼ同時期の裏側を描くスピンオフであり、原作の出来事や登場人物が別視点で関わってくる構成となっている。
主人公は市議会議員・広川剛志の息子、広川樹（タツキ）。彼の前に、左手にパラサイトを宿す殺人犯・海老沢晃平が現れたことをきっかけに、再び“人間と寄生生物の戦い”が始まる。
警察の深見刑事、海老沢の共犯者・福田、本編キャラである田村玲子（田宮良子）や後藤なども物語に関わり、原作ファンにとって多層的な再解釈が楽しめる内容となっている。
あらすじ
男子学生3人が惨殺される事件が発生し、現場に居合わせたのは被害者の友人であり、広川剛志の息子・タツキだけだった。
捜査を担当する刑事・深見十三は、全国で起きている「ミンチ殺人事件」との関連を追う中で、寄生生物と人間が入り交じる恐るべき陰謀に迫っていく。
事件の背後には、左手にパラサイト「スレドニ・ヴァシュタール」を宿し、人間の脳を保ったまま暴走する殺人犯・海老沢晃平の存在があった。
主な登場キャラクター
・広川樹（タツキ）：本作の主人公。高校1年生。広川剛志の息子で、友人を殺された事件の真相に迫る。
・広川剛志：タツキの父で市議会議員。原作にも登場し、パラサイトたちと暗躍する存在。
・深見十三：刑事。正義感が強く、寄生生物の存在を追う。
・海老沢晃平：左手に寄生生物「スレドニ・ヴァシュタール」を宿す殺人犯。
・野田：冷静な知性派のパラサイト。海老沢と対立関係にある。
・南真子、朝河：タツキのクラスメイト。事件を通じて彼の変化を見守る。
・深見拓郎：原作『寄生獣』の登場人物。十三の甥として本作にも登場する。
作品の位置づけと評価
『寄生獣リバーシ』は、原作で描かれなかった社会側・警察側の視点を補完する作品として位置づけられている。
「人間の悪意」と「パラサイトの理性」という対比構造がより明確に描かれ、倫理観の崩壊と再生をテーマに据える。
本編の“哲学的ホラー”の延長線上で、よりサスペンス色の強い物語を構築しており、スピンオフとしての完成度も高いと評されている。
ユーザーの声
> 原作の裏を補完する構成が見事。深見刑事の人間味ある描写が印象的。
> 海老沢の狂気と「理性の残る寄生獣」という設定が怖くも興味深い。
> タツキの視点で描かれる“人間の業”が本編以上にリアル。
