ワンパンマン one版

ワンパンマン ONE版（原作Web漫画としての原点）

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概要

『ワンパンマン』ONE版は、漫画家・ONEによるWeb連載オリジナル作品。
あらゆる敵をパンチ1発（ワンパン）で倒してしまう最強ヒーロー・サイタマを主人公に、
“最強ゆえの虚無”と“平熱な日常”をギャグと哲学で描くアクション漫画である。

2009年よりONEの個人ホームページ上で発表され、
2011年6月24日までウェブ投稿サイト「新都社」にも登録されていた。
現在もONE氏の公式サイト上で連載が継続されており、Web漫画史を変えた作品として知られている。

制作のきっかけ

ONE氏が漫画制作ソフト「ComicStudio」の練習目的で描き始めたのが出発点。
本人も当初は“実験的な落書き”として投稿したが、読者からの反響は予想を超えるものとなった。

その人気を受けてONEは最終話までのプロット（全体構成）を制作し、
本格的な長期連載へと発展。以降、シンプルながらも深いドラマを展開していくこととなる。

作風と魅力

ONE版の特徴は、独特の「間」と「空気感」。
豪快なバトルよりも、日常と非日常の境界を描く会話・沈黙・ズレに魅力がある。

- 線が少なく簡潔な作画
- コマ割りのリズムによる笑い
- 強さと孤独を対比する演出
これらが融合し、“見た目以上の奥深さ”を生む。

ONE自身が影響を受けた『クレヨンしんちゃん』的なユーモアセンスも根底にあり、
ヒーロー漫画でありながら「生活と人間味」を中心に据えている。

更新と展開

・2009年7月 — ONEのホームページで『ワンパンマン』連載開始。
・2011年6月 — 新都社での掲載終了、以後公式サイトで継続。
・2012年6月 — 村田雄介によるリメイク版が集英社『となりのヤングジャンプ』で連載開始。
・2015年3月 — リメイク版アニメ化が『週刊ヤングジャンプ』誌上で発表。
・2016年3月 — 「第2回SUGOI JAPAN Award」マンガ部門1位を受賞。
・2017年1月 — 原作更新が一時休止。
・2017年9月 — ONE氏が公式に休止発表。
・2019年4月8日 — 更新再開。現在も不定期連載中。

リメイク版との違い

・ONE版は「構成・間・哲学重視」、村田版は「作画・演出・臨場感重視」。
・原作特有の粗削りなユーモアと、読者の想像力を引き出す余白が魅力。
・会話劇や間の取り方に人間味があり、シリアスとギャグのバランスが絶妙。

ONE版の魅力

・手描きの温度感と、人間くさいセリフ。
・“強さ”を題材にしながら、“生きる退屈”を描く逆説的構成。
・絵のシンプルさゆえに、想像力で“心の動き”を読み取る余地がある。

読者の声

> 「ONE版のテンポと間の使い方は天才的」
> 「絵の拙さが逆に人間味を出していて味がある」
> 「村田版とは別ベクトルの完成度」

総評

『ワンパンマン』ONE版は、原作・構成の原点にして最も純粋な“ヒーローの哲学書”である。
見た目は簡素でも、描かれるテーマは壮大で普遍的。
「最強とは何か」「努力は報われるのか」という問いを、
ギャグと静けさの中に込めたONEの原点が、ここにある。

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